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原作ファンによるアニメBJの腐女子的批評。原作含めストーリーを事細かにネタバレしているので未見の方はご注意ください。


by allen_gogogo

カルテ21:春一番

さて、今週は2本立ての春のスペシャルでしたね。
こういったスペシャルを放送するということは、人気はあるとみてよいのでしょうか。
ところで、個人的に手塚治虫の「白い幻影」という短編が結構好き。
なんてこのエピソードに関係あるんだかないんだか微妙なことを脈絡無く言ったところで感想をはじめましょう。



ある雪の日、喫茶TOMにはいるとアツアツのカップルが。
和登さんもピノコもあきれた顔をしている中、久美子が「でも彼氏といっしょならあったかいんだろうな」とぽつり。
「久美ちゃんの恋人はまだまだ死んだお父さんだな」という卑下親父(一発変換したらこんなんでてきた…)に
「私だって初恋の人くらいいるんだから」という久美子。
これにはそこにいた一同びっくり。…って、普通初恋くらいしないのか!?関係ないけど、和登さんの初恋の相手がちょっと気になります。
誰かと聞かれた久美子は、まだちいさな子供だったころのことを語りはじめました。
ある日、久美子の父本間先生はつとめていた病院の屋上でとある人と話をしにいきました。久美子はパンダのシーツにつかまって遊んでいると、ふいに風に吹かれ、シーツごととばされてしまいました。さらに久美子がぶつかった屋上の柵まで崩壊!…って、どんだけさびてればそんだけ粉々にとびちるんですか。
あわやシーツごと墜落…というときにその話をした人の腕がのびてシーツをがっちりと。シーツが風呂敷のように久美子をささえ、久美子は急死に一生を得たのでした。「よかった」と抱きつく本間先生の腕の中で、久美子は自分を助けてくれた人の姿を探すのですが、もう彼はいないのでした…。
本間先生の話の途中だったはずなのに、なぜ久美子にも気付かれない素早さで彼は姿を消してしまったのか……おのずと結論は一つになりますね。相当彼はもよおしていたに違い有りません(下ネタ失礼)。なんたって黒男は腸が弱いし(by「座頭医師」)…あ、ネタバラシしちゃった。でもまあ、この時点でまちがいなくみんな気付いているとおもうので気にせずにいきましょう。それにしても製作者側、最後にネタバラシするというのならもうちょっと解りにくい演出しようぜ。
それを聞いていた黒男は何故か足早にその場をさっていったのでした。それもそうですね。あの時もよおしていたなんていうしょーもないオチがついているわけですから。
その夜、Tomの片づけをしている中。やっぱり話題は久美子の初恋の話に。「はずかしいからいわないで下さい」と恥ずかしがる久美子に「そのうち本当の恋人だってできるさ」とヒゲオヤジはわらいました。が、その時久美子に異変が。突然片方の目がみえないと久美子は訴え、その場にたおれこんでしまうのでした。どうでもいいですがこの久美子の妙にドラマチックな倒れっぷりに妙なしたたかさを感じます。つうか片方の目が見えなくなったから気絶ってなんだそりゃ。
黒男の診療所にはこばれた久美子に、黒男は「白班病」という診断をくだします。角膜移植の手術が必要だという黒男に、和登さんは警戒してほかの病院に連れて行くよう言いますが、黒男の報酬は「桜の咲くころまで、ただでコーヒー(とミックスジュース)」。しかしこんなに差をつけられてほとんど怒らない和登さんは心が広いというかおひとよしというか。
そして手術も無事成功し、友達とまちなかを歩くようになった久美子。しかし、久美子はなにかおかしな様子。久美子だけに、ときどき彼女のことをじっと見つめる長髪でハンサムな男の人があらわれるようになったのです。
それも、自分の部屋のなか、黒男の診療所など色々なところで。
おかしく思った黒男は、角膜の提供者に調べてもらうことに。
そんなある日、買物にでかけた久美子と和登さん。彼のことでうわのそらな久美子の前に、また男の人があらわれます。必死においかけても、消えてしまう男。実在の人なのかと悩む久美子に、ある人のことが思い浮かびます。そう、初恋の人のことだったのでした。

困った和登さんは、写楽のいるオカ研(なぜか写楽がいることがすごく納得できるなー)から小松という人をよぶことに。中学生という設定になったものの、小松左京がよもや出てくるとは。ちびっこは絶対元ネタわかんないだろうなあ。(関係ないけれど、筆者はこの瞬間まで小松左京をなぜか故人と思い込んでいました。すいません)しかし和登さん、男子中学生に真剣に相談するのはいかがなものか。
小松くんは久美子におこった不思議なことを「角膜に映像が焼きついた」と推理しました。
和登さんは黒男に角膜の提供者について調べるよういいましたが、黒男は秘密をまもるためと拒否。それでもつめよるみんなにもういいのよと久美子はいい、初恋のひとのことを頭で勝手につくりこんだに違いないと話すのでした。
しかし、久美子はその人に夢中な様子。
ヒゲオヤジは「はやく忘れろ」といいますが、ぼうっとした様子で久美子は彼の似顔絵をメモしています。そこに和登さんがやってきてその人のことについて話そうとしますが、久美子は「忘れろっていうんでしょ」と吐き捨て、外に飛び出していってしまうのでした。
公園の小道を歩く久美子。しかしそのとき彼女の目の前に見覚えのある男の姿がとびこんできます。道のうえに花束をおく男。和登さんも予測したとおり、彼は実在していたのでした。
再び和登さんは、写楽、小松くんを呼び、そこにピノコも加わって、件の男の人について話します。ばんそうこうをしきりにかきながら考え込む写楽。その時写楽はあることを思いついたのでした。これは殺人事件で、角膜の持ち主は殺されたのであり、死の瞬間に殺人犯である男の人を目にやきつけたのだと。そのとき久美子から和登さんに「大沢公園であの人にあっている」という電話がはいり、すぐに切れてしまいます。あわてた4人は久美子が口を封じられるかもしれないと心配し、大沢公園に向かって必死に走るのでした。

一方。ボートの上で話す二人。
「不思議な話ですね」という男の人を目の前に赤くなる久美子。
そのときピノコに呼び出された黒男もピノコと一緒にはしっていました。ところで黒男、車道の上をダッシュしてるなら車つかったほうがいいと思うのだがどうなんでしょうか。
「かくまくに焼き付いているのが殺人者だって!?なんてばかなことをいったんだ」
「らって、ちょうとしか考えられないって…」
「角膜を提供してくれた女性は、館より子といって、交通事故で死んだんだ。そして、久美子さんの目にうつっているのはおそらく…」
おいおいおいおい黒男!!「殺されていない」だけで十分なのに、死因、性別、果てはフルネームまでばらしますか!さすが黒男、天性の気まぐれ男です。
一方、写楽と和登さんと小松くんは、ボートの上の久美子にむかって、その人は殺人者かもしれないと叫びます。その言葉に男はいいました。
「ぼくが殺したのかもしれない…」
その言葉にショックをうけ思わずとびのいた久美子。と、その勢いでボートがゆれ、久美子は水中にダイブ。黒男はジャケットとコートをぬいで助けにいきます。
岸辺で暖をとりながら、その岸田という男は話をはじめました。より子は自分の婚約者で、ある雨の日、この車道で自分の不注意から事故にあい、より子を死なせてしまったということを。
と、その時強い風が。それは春一番。久美子は風にふかれる黒男をみて、気付いたのでした。あのとき自分を助けた人は誰なのかと。
それにしても風にふかれる黒男の姿。

萌えるというより、なんかカッコつけぶりに笑いがこみあげてきます。てかちゃんと暖とれよ黒男。春一番のころはまだ寒いぞ。
そして桜の咲く頃。
もう久美子の目に男がうつることはありませんでした。どうやら水におちたことがショック療法になった様子。……って、めっちゃサラって流されてるけど、いいのかそれで。むしろもう片方の目に溺れたときにみた黒男の姿が焼き付いていたらもっと面白いことになっていたと思うのですが。
そのとき、久美子は黒男に話します。あのとき自分をたすけてくれた人は黒男に似ているということを。
それを聞いた黒男はいいました。
「今回のことは、春一番さ。…おまえさんには本当に春がくるんだよ」

…あー、んーと、製作者が久美子(および黒男×久美子)萌えなことはものすごーくよくわかりました。が、しかし、しかしルーナ(原作のキャラ)の何が不満なんですか!!なんなんだ、この見終わった後の言い様のない萎え萎え感は。ルーナじゃなかったことが原因なのか、原作どおりにサスペンス風味でなかったことが原因なのか(話の展開としてはそこそこよかったとは思いますが)、そのものズバリの「春一番」をもってこられたその即物っぷりが原因なのか。久美子まで黒男にほれたことになってしまったからなのか。多分全部原因になってるとは思うけれど。
ところで何故原作のタイトルが春一番なのか。ばっときて思いがけないかたちで去って行った初恋。そう、失恋の涙があるからこそ黒男の粋なはげましや「春一番」の意味が生きてきたと思うんです。しかし今回、久美子は全然失恋のカケラもみせていません(せいぜい憧れが消えた程度)。だからなんとなくアニメの「春一番」は意味がぼけてしまっている感じ。黒男のはげましもなんかしっくりこないし。というわけで、久美子が失恋していないことにも萎え。
…まあ、なんだかんだいって久美子は好きな部類にはいるキャラなんですが、ここまで清純派を強調されて、さらにそれを強調するがごとく二回も「ああっ!」と転倒させられたりなんかして、表にもってこられた今回、かなり「なんだかなあ」と思ってしまいました。脇に徹するからこそ久美子には魅力があるのに。

★今週のベスト萌えショット★
今週はこれしかないでしょう!!

小松くんの眼鏡がとれた顔。目ちっさい♪小松くんかわいーなー。
by allen_gogogo | 2005-04-12 23:13