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原作ファンによるアニメBJの腐女子的批評。原作含めストーリーを事細かにネタバレしているので未見の方はご注意ください。


by allen_gogogo

カルテ16:ピノコ行方不明

今週は「ピノコ還る!」を元ネタにした話です。
ある意味とってもタイムリーですね。とりあえず、今回は色々と美味しいところだらけでした。さっそく行ってみましょう♪



えらくあぶなっかしい構造の大病院。
話はブラックジャックが手術をしているところから始まります。おおっ、また今回も手術瘡がでてるー。どうしたんだ製作サイド!?なんかここらでアニメに対するスタンスに変化がでてきてるのか?これからにも期待。
それを4人の医師が外からじっと見学していました。
手術は無事成功し、報酬の4000万を院長とおぼしき人からもらって病院を去るブラックジャック。その直後、あの4人の医師がはいってきました。なんとこの4人は世界医師連盟の人だったのです。4人は彼の手術のテクニックにいたく感動していたようでした。
ところでこの4人のうちの1人が短編「ドオベルマン」の主人公、コニー・ドオベルマン(今日初めてフルネーム知ったよ…)なのですが、こいつがなんと喋ってます。腕組みしています。結構前位置にいます。目が普通です。ドオベルマンのくせに生意気です。ドオベルマンは直立不動で首かしげてイッた目で人の後ろにぬぼーっと立ってればいいんだよ。

場面は変わって黒男の家。
ピノコがおつかいから帰ってきてラルゴの家(原作のあの家まんまです。ということはカルテ3であれを作るシーンがあるってことだな!?)に行き、ラルゴにえさをあげようとするのですが、そこにはラルゴがいません。
「留守番してって言ったのに…」と家にはいると、ほうぼうでドアが開いています。
黒男の仕事部屋にはいると、そこには見知らぬ男が。そしてラルゴがぼーっとそれを見ていました。
「誰なの?あんた」
「ひいいっ!?…子供か、びっくりさせるな」
ここでまたピノコが大人になりますが、あえて無視。くそうっ、カルテ1以来見てないからもう出ないだろうと思っていたのに…(がくり)
「わかった、あんたドヨボーね!」
しげしげとピノコは泥棒を見つめます。
「ラルゴ、あんたなんで泥棒なのに吠えないよのさ」
「おじょうちゃん、怒らないでやってくれ。こいつは良い奴なんだよ。」
なんと、ラルゴは泥棒に鍵をわたしてしまったのです。
「困った人をみると助けたくなる性分なんだな、こいつは…」
とりあえずツッコんでおくけど、お前が言うことじゃないだろうが泥棒。
「ラルゴが他の人になつくのははじめてよのさ…」
ピノコは不思議そうにそう言います。写楽のこと思いっきり忘れています。
ともかく、金がいるんだとつめよる泥棒は、身の上話をはじめます。何でも泥棒は魚屋をしていたけれど、スーパーに客を持って行かれ、店がつぶれ、妻子にも逃げられたのこと。娘がピノコと似た名前の「ヒロコ」であることもあって、ピノコは泥棒にブラックジャックにたのんであげる、と言って、住所と名前を聞き出すのでした。
そして、ピノコとラルゴは帰ってくるまでに片づけを一生懸命しだすのでした。
…って、ラルゴ、さっきあんなにノロノロしてたのにものすごい速さで証拠隠滅してるし。何か黒男に対してよっぽどうらみでもあるに違いありませんこいつ。
そして、夜になって帰ってくる黒男。
報酬の4000万を鍵付きの引き出しにしまいこみます。…え、そんな簡単なところにしまってあるの!?なんか拍子抜け。そうだとすると他のお金も、意外と簡単に見つけられるところにしまってあるだろうに。あの泥棒は金のにおいをかぎつけられないことにかけては天才ではないでしょうか。
その日の夕食、ピノコは黒男におこづかいがほしいと言います。あっさり黒男も承諾し、どのくらいほしいかと聞きます。
「100万くらいどうかちら」
思わずごはんを噴き出す黒男。
「馬鹿、お前は金の常識を知らないなー」お前が言うな。
「じゃあ、月1000円ずつやろう」
ところで連載当時、これは「月々200円」でしたが、手塚治虫関係の資料をみてみると、BJ連載当時の少年チャンピオンでも180円(うろ覚えなのでどなたか訂正よろしく)。私の手もとにある増刊号だと220円。無理です。毎週チャンピオンを買えません。黒男…こ、この秋田書店不孝者!!(爆)
話はもどって、ピノコの「じゃあ、一年分いっぺんにちょうだい」とのお願いに、仕方なく黒男は12000円を渡すことにします。そうだよなー。黒男が金持ってるからって、いくらなんでも原作みたいに10年分なんて渡すわきゃないよな。

次の朝。眠っていた黒男は電話の音で目を覚まします。
と、ピノコの「おつかいにいってきます」という書き置きをみつけます。
電話にでると、それは世界医師会連盟からのものでした。なんでも、今日と明日、東京で開かれる世界医師会連盟の総会のために来日しているとのこと。そして、役員は黒男のために医師免許を発行してもいいと言い、明日の3〜4時にホテルにくるように言うのでした。
電話をきり、黒男はバルコニーにパジャマ姿でいってじっと外をみていました。
「医師免許か…」
黒男は、昔、日本で認可されていない移植手術を反対を押し切って決行したため、医師免許を剥奪されていたのでした。
ちなみに、ちょっと検索して調べてみたのですが、医師免許剥奪を含む行政処分を審議する会で医道審議会というのがあります。で、そこでの免許取り消し、医業停止が実際に行われたケースが書いてあるのですが、免許取り消しというと一年に数件程度で、しかも黒男のように認可されていない医療行為をした、というケースも見つかりません。(どちらかというと人間としての倫理に反する行為で罰されているのが多いようです)そういうわけで、この処分は正当なものなのか…?という疑問が微妙にあります。
興味の有る方はこちらをどうぞ↓
医道審議会について
医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について
もし黒男のような事例に関する行政処分がのっているサイトを見つけたらご一報を。
(議論もろもろについては基本的には受け付けておりません。あしからず)

そんな堅苦しいこと考えていても、私の足りない頭では結論の出しようがないので、先いきましょう。
「また俺の手に医師免許が戻ってくるのか…」
黒男はそんなことを考えていました。

場面は変わって。ピノコは泥棒に書き留めてもらった住所と名前(エンドロールで源吉と判明)をたよりに泥棒の家を探し当てます。おどろく泥棒に金を貸すピノコ。そんなピノコをつれて、泥棒は競艇場にいき、全部スってしまうのでした。
夜になっても帰ってこないピノコを心配し、黒男は「まさか誘拐されたんじゃ…」と、ラルゴを連れてピノコを探しにいきます。

夜。ラーメンを二人で食べ、泥棒はピノコに一緒に歩いて旅をしようと提案をします。泥棒は、自分の娘ヒロコに会いにいきたいのでした。
一方、黒男はようやく泥棒のいた家のあたりにたどりつきます。そこを通りかかったおばさんにピノコをつれていった男の家を教えてもらいます。出あっただけで喋りだすあたり、なんかおばさん、RPGの村人のようなキャラ。その家で黒男は女房からその男への葉書を見つけるのでした。

明くる日、ピノコたちは通りがかった水族館へ入ります。その中で、いろいろ魚についておしえてくれる源吉。そこで、ピノコは飼育員の募集の張り紙に目をうばわれるのでした。

そんなこんなで、もう約束の3時。
黒男の脳裏を、あの時の言葉がよぎります。
「君は医者として失格だ、免許を剥奪する…!」
しかし、黒男は決意したように言いました。「ピノコ、無事でいろよ…!」
一方、黒男の家にかけてもさっぱり出ないことに医師連盟の役員たちは業を煮やしていました。「せっかくのチャンスを…」役員の一人は残念そうにそうつぶやくのでした。
そして、ピノコと源吉は山の中で途方にくれていました。思ったより歩く距離が伸びず、なにも食べていないせいで、ピノコも寒がっている様子。…って、食費もないんならそんな入場料の高い水族館入らないでもよかったんじゃ…;
心配した源吉は、ヒッチハイクをしようとそこを通りかかった車に手をふります。しかしその前を嬉々としてとびだすピノコ。なんとそれは、ブラッックジャックの車でした。「貴様か、ピノコをさらったやつは!」とブラックジャックにおいかけられたはずみで、男は崖から転落。
ピノコは思わず先生に抱きつきます。

いいねいいねー!ラブラブシーン♪
「泣くな…無事なら良い」と黒男も優しく言ったのでした。
そしてピノコは崖の下でのびている男を助けてくれと先生に頼むのでした。

ブラックジャックの診療所。
包帯だらけの男が気が付くと、黒男は即座に1000万を請求。
仕事も金もないという男の前に、ピノコがあらわれます。そこにはあの水族館の飼育員募集の張り紙が。そしてあらわれる妻と子供。3人は再会の涙をながすのでした。

診療所に一礼して去って行く一家3人。
ブラックジャックはそれを見た後、ピノコに言います。
「ピノコ、これからは知らない人にのこのこついていくんじゃない!」
「あらまんちゅー」
「ふざけるんじゃない!」

めんこいー!怒り方めっちゃめんこいー!
ああもう、なんで先生こんなに怒り方が可愛いのだろ…もっと怒って下さいハァハァ(←末期)
その夜、ピノコはオムレツを作ります。

…いいなあ〜これ。今度うちでつくってみるかな。黒男の顔オムレツ。
ピノコによばれてテーブルまで行く途中、黒男は留守電に気付きます。それは医師会連盟からのものでした。残念だが、もう旅立たなければならないとのこと。
「お仕事の話?」
「いや…なんでもない。ちょっと先に食べていてくれ」
黒男はバルコニーにいって外の景色をじっと物憂げに見つめました。
「医師免許か…俺には縁のない話だ」
ふと見ると、テーブルにつっぷして眠っているピノコ。そっと服をかけ、優しげな目で黒男はピノコを見つめるのでした。

いや〜〜いいねいいね。ジャピノ好きにはかなり萌える話ではなかったのでしょうか。原作のアラというか、いささか飛躍しすぎなシーンもうまくまとめてあるという感じでした。医師免許をはく奪されたといういきさつも描かれていて、いろいろと美味しかったです。卵焼きのシーンや鼻歌のシーンも、後から「そういや原作だとそんなシーンがあったなあ」と思い出す程度で。
ただ、この話、本当に放送してよかったのでしょうか?安楽死や人の死を子供にみせるより、泥棒したりどこかの幼女を連れ出すようなおっさんにもそれなりの事情があるんだとかいうよけいな同情を子供にさせるほうが今のご時世よっぽど危険だと思うのですが。とくに最近子供がらみの事件が多すぎるからなー。どうすんだ、実際に子供が空き巣と鉢合わせしてのこのこ近付いて行って危害加えられたりしたら。そんなわけで「殺しがやってくる」「白い正義」を放映して子供にそれなりの危機感をうえつけることを期待します。
とりあえず、黒男、もっと犬にもピノコにも躾をしろ。

★今週のベスト萌えショット★
今回4枚鉛筆画をかいて、どれにするか死ぬほど迷いましたが、今週はこれで。

眠っている黒男。何が萌えたかって、右隣に某眼帯灰髪男の幻をみてしまったところでしょうか。ついでに青パジャマを脳内で消去もしました。すいません、キリジャ原理主義で。で、でも萌えるなあ…キリコこんなかわゆい寝顔間近でみられるんだよなあ…ハァハァハァハァハァ(筆者妄想中につきフェードアウト)
by allen_gogogo | 2005-02-21 22:54 | アニメ感想